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浄土宗 龍原寺

脈々と伝わる歴史と 古き良き景観を守る

脈々と伝わる歴史と 古き良き景観を守る

ご住職 星 康一 様

<浄土宗> 紫雲山 花楽院 龍原寺
境内営繕工事
・長塀新築改修工事
・庫裏会館改修工事
・鐘楼新築工事
・本堂改修工事
・山門改修工事
大分県臼杵市 平成二九年竣工
長塀新築改修 合計約100m

 拙寺は浄土宗総本山知恩院の末寺で、円誉上人を開山として当時の領主稲葉家初代藩主右京貞通公が慶長五年(一六〇〇年)に創建、私は二十三代目の住職にあたります。
 西南戦争により罹災して本堂は焼失しましたが、江戸中期建立の山門、安政五年(一八五八年)竣工の三重塔は九州に二つのみ残る木造三重塔として知られ、今も臼杵市の象徴として大切に守り継いでおります。
 私の代になり大々的に境内地の整備を行い、これまでに本堂、納骨堂と手がけてまいりましたが、長塀の新築と改修、庫裏の改修を検討していたところ、親しくさせていただいているお寺を飛鳥社寺が手掛けられた縁があり、工事を依頼するに至りました。

 明治期の伽藍を写した絵図が残されておりましたので、往時の境内地景観の再興を念頭に、はじめに長塀の工事に取り掛かりました。より良い境内地整備となるようお寺の立場にたって関係各所と協議に望んでいただいたことで、長塀は想定以上の出来映えとなり、続いての庫裏の改修も、施主の望んだ姿に近づくよう計らい、利便性の向上につなげていただきました。飛鳥社寺の仕事ぶりは聞き及んでおりましたが、工事に係る職人方も熱心な方ばかりで、互いに協力関係が築けているのが伝わってまいります。
 次に依頼したのは鐘楼の新築工事です。明治時代創建の鐘楼は老朽化による不具合で屋根に傷みが多く、天井からの漏水を見て、長く憂いておりました。現況調査報告書をもとに責任役員会で検討したところ、あるお檀家様から賜った遺贈を活かして後世まで残される鐘楼を新たにし、大切に守りご遺志を伝えていこうと、満場一致で鐘楼の建替えを決意しました。
 限られた予算の中での依頼でしたが、地元名産臼杵石の既存基壇を補強して活かし、お寺の歴史をともに歩んできた古い鬼瓦は焼き直して後世に残しましょうと、飛鳥社寺から望ましい提案をいただき、こちらも安心して工事をお任せすることができました。柱間は以前より一回り大きくなり、瓦は八寸本葺、総桧造の鐘楼です。次々と部材が組み上がっていく様は壮観で、変わりゆく在り様を見守っておりました。
 竣工が大晦日に間に合ったことで、除夜の鐘を衝きにみえられたお檀家様やお参りに見えられた皆様方と、喜びを共有させていただいております。他にも本堂向拝回りや唐破風玄関の改修工事もお任せし、今となってみると境内地の景観が見違えるようです。これからも地域に根差したお寺として、お念仏の輪をひろげ、毎日のおつとめを果たしてまいりたいと考えております。