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浄土真宗本願寺派 龍巖寺

心の拠り所として 皆様が集えるように

心の拠り所として 皆様が集えるように

ご住職 桑原 孝臣 様

<浄土真宗本願寺派> 種詷山 龍巖寺 本堂新築工事
山口県熊毛郡田布施町 平成二九年竣工
正面6間・側面6間
木造入母屋造 瓦葺屋根 流れ向拝付き

 拙寺は元禄一一年( 一六九八年 )、三代目住職浄喜の頃に建立した本堂を、ご門徒の庇護のもと法灯を絶やすことなく守ってまいりました。当初は茅葺屋根の本堂でしたが、昭和後期に瓦葺屋根へと造替えた後も風水害による被害が生じ、その度に修繕を重ねてきました。しかしながら、昨今の猛威を振るう自然災害に対処できないと判断して、調査を行った結果、三百年余りの歳月による経年劣化著しく、改修は困難であることがわかり、新築計画の運びとなりました。
 計画にあたり、自らがまず学ぶべきであると思い、総代方と遠縁の寺院や社寺建築を手がける各社の工事事例を見学しました。これから求められるであろうお寺の姿、自坊の本堂を思い描いたことは、後々の構想にも良い影響を与え、有意義なものでありました。

 工事会社の選定では各社の提案内容を吟味し、最終的には当寺の意向や状況を理解し、的確なアドバイスをしていただけた会社に依頼することとなり、飛鳥社寺とご縁が結ばれました。
 飛鳥社寺は、旧本堂にあった歴史あるものを後世に残したいという施主の思いを形にし、予算に合わせた最善の工事項目の提案など、常にお寺の立場に立って応えてくれました。本堂が建立した今改めて、社寺建築専門会社の見識の広さを感じております。
 お寺の本堂は防災の役割も果たし、緊急時に備えて避難できる場所であることも大切です。拙寺は昭和二五年に発生したキジア台風により、近隣河川が氾濫し、本堂が床下浸水の被害を受けた経験があります。風水害対策として地盤面からの基礎を高くしたことで、今後いつ発生するかもしれない大水への憂いを払い、お寺の安心感が増したように思います。
 無論、現実的な部分に気を取られ、頑丈であれば意匠性の低い建物になっても良いということではありません。阿弥陀様をご安置する場所として相応しい、格調高い本堂であることが肝要です。飛鳥社寺の現場監理者や職人は、施主からの数々の要望に応えながら、品格と機能が調和した丁寧な仕事をしてくれました。研究熱心な若い棟梁を筆頭に、熟練の瓦師など信頼できる職人に携わっていただき、大変有難く思います。
 計画当初から、より良い集いの場とするためには、それに応じた予算や工期が必要であるという覚悟をしておりましたが、無事立派に竣工できたことを関係者各位に心よりお礼申し上げます。念願であった本堂の出来栄えに、住職としても大変満足しております。
 新しい本堂がご門徒の心の拠り所となり、親鸞聖人の法灯を守り伝え、多くの人が賑やかに集う場所にしてゆきたいと願うばかりであります。